2019年夏・東北⑥ 8月7日(5)日和山
この内容は、2019年8月現在のものです。
石巻でどうしても行きたかった場所の一つが「日和山」です。
日和山は旧北上川河口に位置する丘陵地で、中世には、奥州総奉行葛西氏の城があったと伝えられています。かつて松尾芭蕉も訪れたこともあるこの日和山ですが、石巻市内を一望できる桜の名所としても有名で、市民憩いの場所、遠足・ハイキングの場所としても親しまれているそうです。
姫路で置き換えると、手柄山のようなところでしょうか。
震災直後の映像や記事で、多くの人々が日和山を目指して避難していたことは知っていました。その映像もYoutubeなどに今もアップされています。
しかし、実際に訪れてみて、「こりゃ、なかなかお年寄りには大変だな」というのが印象です。標高約60mということですが、かなり体力を消耗しました。
高台と連なっている北側からは自動車でもある程度のところまで登ることができます。
頂上の手前には、売店や神社(鹿島御児神社)があります。
神社の前の広場にきました。太平洋が一望できる絶景スポットです。
右中央に見えるのが「日和大橋」です。
ご覧の通り、北側から車できたらこれほどの高台であることをさほど意識しません。
しかし、海側に出ると、山の上であることを意識します。そして、門脇地区など沿岸部の人たちが逃げてきた階段が、これです。
段数はわかりませんが、恐ろしい傾斜です。この階段を多くの人が文字通り命がけで登ってきました。
付近の津波到達時刻は15:40頃とのこと。地震発生から1時間立たずに津波が襲ってきたことになります。
この階段の手すり付近から撮影された動画は、津波の恐ろしさを教えてくれます。
●日和大橋を望む
震災前の風景が掲示されています。
●石ノ森萬画館・旧石巻ハリストス教会方面を望む
研究の基本はフィールドワークとは言われますが、実際に登ってみることで避難のむつかしさを知ることができました。
未経験の揺れの後、即座に「逃げよう」と判断できるのか、まして雪が降る中、60mの山にむけて、歩いて行こうと判断できるのか。
「ここは大丈夫だろう」という判断を覆すには、かなりの勇気がいると思います。
先述の門脇小学校は日常の訓練を通して、裏山への避難を決断できたと新聞記事にありました。
災害に打ち勝つには、想定外を意識しながらも、日々の訓練が大事なのではと考える機会になりました。
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